家具とインテリア【マンションリフォームと造作家具】

2020年9月
マンションリフォームのご依頼をいただきました。

工事は、山根木材リモデリングさまにお願いして、Tree style は、インテリアコーディネートと造作家具設計をお客様と一緒に決めさせていただきました。

【リフォームのきっかけ】
それまで断捨離をして片付けを進めておられたタイミングで参加された収納セミナーでした。「断捨離をしてもなかなかスッキリしない!」
「婚礼家具だった食器棚を変えたい!」
という軽いお気持ちでリフォーム打合せがスタートしました。

【ストレスの原因】
お話を伺っていると、「現在置かれている家具類が使い勝手が良くないの。」とこと。
買い足した家具やご実家から持ってきた家具、お子様が使っていた家具などサイズも素材も色もバラバラだったためです。

【ご提案】
『いっそのこと壁面収納家具を創るのはどうですか?』 
と、初めの打合せの時、ラフに描いたイメージパースからリフォームプランが膨らみました。

【壁面収納家具創り】
壁面収納家具創りは、ご夫婦、工務店さん、私、家具職人さん5人の知恵が入れば怖いもの無し!

ご夫婦のアイデアも素晴らしく、信頼してお任せできる工務店さんと家具屋さんのチームワークも良かったです。

はじめは奥様の気持ちが高く、ご主人様は最小限のリフォームでも良い感じでしたが、実は、ご主人様は元々インテリアに興味があってすぐに乗り気になられました。

何よりご夫婦がとても仲良くリフォームに積極的で、よく話し合いをされ、ショールームにもすぐに足を運ばれました。
行動や決定もスピーディー!!
打合せがとてもスムーズで、工務店の営業さんとも歩調も合いました。

【インテリア】
インテリアのはじまりはカップボードの色でした。
その後、天井壁床などの内装材の色や柄を決めながら、壁面収納家具の素材や色やデザインを決めて、締めは、ソファやベッドといった大型の置き家具と窓装飾でした。

【こだわりました】
特にこだわったのは、壁面造作家具の表面材と色です。
以前、カップボードを造作してステキだったお客様宅の見学をさせていただいたり、家具屋さんにサンプルを作っていただき、素材感や色の確認をしました。

【壁面造作家具】
カウンターの高さやその天板の色や家具のラインも納得していただけるまで打ち合わせを重ねました。

壁面収納家具の良さは、サイズ感・デザイン・素材・カラーなど、すべてをオーダーできることです。
マンションにありがちな梁を生かして、出っ張りのないスッキリした壁面デザインとなりました。

また、壁に固定するため耐震性も高く、隙間が無いので埃が背面にたまりません。
配線計画も事前に行い、コードが床から出ることもありません。

【仏壇収納家具】
最も満足されたのは、仏壇収納家具でした。

天然木の扉材をお気に入りのチェリー色に塗装
垂直扉収納という操作方法のレール金物を使い、開けた扉を箱の内側に収めることができ、仏壇を開けたままでも、隣の食器棚の扉を開閉できる使い勝手が実現しました。

扉の中はシンプルな箱ですが、中に仏具位牌などを置くための棚は、ご主人様の手作り
カウンターと合わせてブラックに塗られて、一層重厚感が出ました。

工務店さんの知恵と家具屋さんの腕とご主人様のこだわりが一致しました。
現在の仏壇家具や収める仏具を計測して無駄なく、美しく収まりきるよう計算されつくした一品となりました。

また、将来お引越しがあっても仏壇部分の家具は移動できるよう、独立して造作してもらいました。

【ご満足いただいた理由】

最も、喜ばれたのは、仏具やご本尊さまを収められて改めて扉を開けたとき、これまで和室に置かれていた時は、暗くて見えづらかったご本尊様のお姿が明るく美しくはっきりと見えるようになったことだったそうです。

お仏壇の位置も変えています。
これまで置かれていた和室は、西側のお部屋で障子付きの窓はあるものの、少し暗いお部屋でした。
新たな場所はリビングダイニングの隅ですが、生活動線の邪魔にならず、扉を開けておいても違和感がありません。
来客などで気になる時は、扉を閉めれば、全く仏壇に見えない、スッキリした収納家具に見えます。

黒いカウンターの端に設置して、その右隣は、同素材の食器棚を造作しているので、統一感があり高級感があります。

リフォーム直後

ダイニングテーブルは、イスを張り替えて、テーブルと共に木部の塗装直しで、新品同様になりました。光の輝きも違います!

【窓装飾】
窓装飾は、気に入っていただいたレースカーテンが、高層マンションのため防炎加工が必要なのに付いていなかったため変更を余儀なくされたり、和室のプリーツスクリーンの素材を重量の問題で、こちらも変更していただいたりと、不手際があったにも関わらず最後まで気持ちよく対応していただきました。

リビング窓カーテンは、既存のドレープカーテンを活かし、レースは、日焼けしていたため新調。
ホワイトでありながら、スカラップが2段織り込まれた華やかなボイル生地。
カーテンレールは、滑りが悪くサビが見られたため交換しました。

寝室となるお部屋のプリーツスクリーンは、上部のドレープ部分は遮光生地で生地に穴の無い光もれを防ぐタイプを採用。
レースは、白っぽい採光の良いタイプセレクトし、リビングのレースカーテンとイメージを合わせました。

かなり週末の時間を打ち合わせやショールーム見学に使われ、リフォーム中は、ホテル住まいのため家財道具を最後まで断捨離移動と、最初から最後まで本当に大変だったと思います。

もともときれいに住まわれていたので、内装ががらりと変わりましたが、キッチンや扉やド枠が以前のままでも違和感がありません。

ご主人様が、最後にスイッチプレートをこだわられて、インテリアのグレードがアップしました。
インテリアを決める過程は、ご主人様のこだわりと奥様の寄り添う調和の姿が印象的でした。

リフォームを終えて…

打合せは、毎回スムーズに行われました。
それは、お客様が勉強熱心でカタログやネットで事前に、情報をしっかり集められていたため、判断が早かったのだと感じました。

私自身毎回勉強になりました。

打ち合わせも家具ショールームへの同席も、インテリア商材を探すのも、とても楽しい時間でした。

I様、ステキなリフォームに立ち会わせていただき本当にありがとうございました。
リフォーム後に見せてくださった(密かに作ってくださっていた)リフォーム物語のHPは、逆に、最高のプレゼントをいただいた気持ちで言葉になりませんでした。
重ねてお申し上げます。

はじめからすべてをインテリアコーディネートして進めるリフォームではなく、お客様のリフォーム熱に合わせて一つずつ決めて追加していく足し算型のコーディネートでした。

お客様が、どんどんインテリア目線が磨かれていき、最終的には掛け算された仕上がりに満足されているように感じました。

「自分で決める」満足度は、お客様の特権ではないかと私は思います。

残したいモノ、好きなイメージやカラーや素材感。
それらをキャッチして、お客様が喜んで選べるようバランスをとってセレクトするのが私の役割です。

リフォーム後の奥さまの声

お会いするたびに、暮らしを楽しまれているご様子で、大変うれしく思います。
お話いただいた言葉を一部ご紹介いたします。

  • 壁面家具が以前より薄くなって空間が広くなった分、ダイニングテーブルを置く向きと位置を変えただけで、キッチンからリビングへの動線が短くなって、とっても移動が楽になりました。
    たった1歩、2歩の違いがこんなに実感できるなんて思いませんでした。

  • 食事は、鉄板焼きを良くするのだけどダイニングで焼いて食べた後、横のカウンターでワインの時間になるのですが、ムードが違うから気分があがります!

  • ホテルライクな音楽をかけながらリモートしている主人と、英語のレッスンをzoomで受けたい私が同じ部屋にいても、座る場所が違うから視線が合わなくて、それぞれに集中できます!

  • 時々主人の電動ベッドを借りて編み物を楽しみます。
    テレビも見れるし斜めな体制が疲れなくてとても心地よいです!
    主人もよくベッドを起こして本を読んでいます。

  • 以前のソファより大きくなったので、ソファに2人掛けても余裕があります。
    主人はPCを見ながら、私は刺繍をしながら一緒にテレビを見ることができます!

  • リビングダイニングキッチンが綺麗になったら、他の部屋も綺麗にしたくなって。
    納戸と化していた部屋を改革して、私の個室にしました!
    私の洋服をまとめたらアイロン掛けたり、着替えもここでするようになりました。
    本やパソコンに集中したい時はこのコンパクトなスペースがいいことに気づきました!

「とにかく片付けが早くなりました!きれいにしたいと思うんです!」と、
嬉しそうに話してくださる姿が、「リフォームをしてよかった。」という気持ちがとても伝わってきました。